インフラファンドの新メリット・リスク回避へ?『民間企業』への再生可能エネルギー売電(卒FIT対策)【第4回】

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はじめに

過去記事の第2回目リスクを、第3回目では将来性とメリットを紹介しました。

その中で最大のリスクの一つに、

固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff)の廃止や変更という項目がありましたが、

その対策ともなり得るのが『民間企業』への再生可能エネルギーの売電と考えています。

その背景と可能性の高まりをまとめました!

固定価格買取制度ってたしか・・

国が、『電力会社は再生エネルギーをこの価格で買いなさい!』

って決めている制度だったかな?

そうです!

そのおかけでファンドは安定した売電料等を得られていますが・・。

制度の適用期間が20年と限定されています。

20年以降は不透明というのがリスクとなっています。

(FIP制度というのがありますが、別途説明予定です。)

ですよね!

それの対策にもなるって・・・。

『民間企業への売電』ってどういうことですか?

実は1,2年ほど前から、『民間企業への売電』という構想はあったようです。

ですが、近々いよいよ現実味を帯びてきました!

背景から順を追って説明します!

ナゼ?民間企業の再生可能エネルギー買電理由

民間企業が再生可能エネルギーを必要とする理由は何なのでしょうか?

①ESG投資の浸透スピードと対策として

ESG投資とは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の略語となっています。

ミクロの視点の場合、これら3項目を企業として対策して、投資先からの投資や、取引先からの信頼を得るというのが目的です。

マクロの視点では、第3回目にて国連がSDGs目標を掲げているという説明をしましたが、

その目標を達成するための、企業にとっての手法といえます。

日本でも徐々に浸透してきていますがその速度は世界的にはまだまだな状況でした。

しかし下図のようにESG投資の資産保有額は急伸し、近年そのスピードは驚異的に速まっています。

(たった2年間で8倍ほどの伸び。)

新たな投資先として急速に注目が高まっています。

んwん

出展:財務省政策広報誌「ファイナンス」より

②『RE100』と『再エネ100宣言 RE Action』の参加企業の増加

RE100「Renewable Energy 100%(再生可能エネルギー100%)」とは簡潔に言うと、

『自社企業の運営に必要な電力を、100%再生可能エネルギーでまかなう!』という目標を掲げた企業の枠組みです。

ここに参加するということがすでに、ESG投資先の選択肢となります。

※『RE100』の参加条件は主に大企業向きの条件となっています。

 中小企業に条件を変更したのが、『再エネ100宣言 RE Action』

この目標達成には主に3つの手法があります。

①発電所から再生可能エネルギー(太陽光など)で発電された電力を購入する

②自社で再生可能エネルギーを発電して、自社内にて消費する。

③環境価値クレジットの購入。

①より明確に買電が可能となっています。

日本では電力自由化がされ、

太陽光発電設備を有する発電事業所が売電すること自体が既に可能となっています。

(要証書)

また参加企業は21年5月時点で、世界で300社ほど、日本からは50社強の企業が参加しています。

そこにはApple、microsoft、Bloomberg、Johnson & Johnsonなど業種関わらず参加しており、

日本からも旭化成、味の素、ソニー、セブンアンドアイグループ、三菱地所など、

幅広い業種から参加しています。

③企業の再生可能エネルギーに向けての事例

最近、本当にこの手のニュースが多いです!一部紹介します。

・ソニー、タイのイメージセンサー生産拠点で再生可能エネルギー100%化に向けた計画を進める

・ヒューリックが非FIT型の太陽光発電所、自社保有で「RE100」達成に活用

・『90キロ離れた太陽光発電の電力を自家消費、エコスタイルが自己託送』

売電がインフラファンドの新たな将来性・メリットへ

インフラファンドの仕組みとして、第1回目の記事でも載せましたが、

現在はオペレーターから賃貸料もしくは電力会社から売電料を得て、

それを元に投資家に分配をしています。

FIT終了後はここに小売り業を通して企業に売電し、

その売電料を得るという新しい商流が生まれると考えられます。

二年ほど前に東京インフラ・エネルギー投資法人」の代表より、下図のようなインタビューがあり、

FIT終了後の売電を少し語っています。

ここ数年でESG投資熱は急速に高まっています。

現在主に大企業が多く対応していますが、

その先には中小企業・個人事業など幅広く対応する事も考えられます。

まとめ

まとめ

・民間企業にて再生可能エネルギーの需要が高まっている。

 ・ESG投資市場が急速に成長している。

 ・『RE100』参加企業での、参加条件が100%の再エネ使用。

   各企業、不足分は外部から再エネ購入をしている。

インフラファンドの一部は卒FIT後、売電を既に視野に入れている。

 

FITに頼らない、『売電』!

投資する側にとってはリスク回避の判断材料になりそうですね!

売電するにもさまざまな規制がありますが・・。

投資家にとっては,インフラファンドひいては企業を通して、

環境問題に貢献できる機会が増えますね。

また、このコロナ禍で業績だけではなく、

環境問題にどのように取り組んでいるのかも、

投資への重要な判断材料となっていくと思っています。

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