
21年4月末から実践しているトライオート(自動売買)ETF。
実際に試してみて実感したリスクとデメリットを、ETFのQQQと絡めて共有いたします!

なんか急な案件なでてきましたね。
ETFっていうのはなんとなーくわかりますが、
ETFを自動で売り買いするシステムということでしょうか?

ETFは東証株価指数やREIT指数あるいはセクター毎の各個別株などと、
連動した成果を出すことを目的とした投資信託の一種ですが、
このETFを設定された条件で自動で売買することが出来るシステムです。

いいじゃないですか!
なにも考えずにボーっと稼ぎたいよ!何がダメなんですか!

(こわいな・・)
ダメではないですよ!試していく中で利益も出ています。
ただ実践して感じたリスクとデメリットいくつかありましたので共有します!
そもそもトライオートETFって?
インヴァスト証券が提供する店頭CFD取引の一種となります。(詳細下記HP)
簡単に特徴を並べました。
3ヵ月間使用してみての実績
当初から500,000円にて運用を開始し、現在の証拠金預託額が542,906円となっています。
(※運用ETFはTQQQです。細かい設定は省きますが、
狭いレンジに多くの本数を設定して一点集中的に建玉と売りが出来るようにしました。
現在はすべての建玉は決済済みのため確定利益です。)
年利換算だと34.32%となっています。


・・・・え?
すごい年利ですね!!怖い!


年利数%の利回りの個別株や、ETF・REIT・インフラファンドなどを、
ただ保有しているだけでは不可能な数字ですよね!
それゆえにリスクも感じました。
デメリットとリスク


普段ETFの積立てや投資信託・ESG投資で、
分散を軸としている私が何をリスクと感じたのか記載していきます。
①金利調整額負担+長期保有時の機会損失【QQQを想定!】
簡単にいうと・・金利調整額とは買い建玉を保有している時点で日々発生するコストとなります。
計算式は下記となっています。
買い建玉= – ( 前週木曜日の終値 * 保有口数 * (Libor + 0.9%) * 付与日数/365※1 )
※Liborの詳細は省きますが下記インヴァスト証券HPより公開されています。


いちいち計算メンドクサイヨ!


色眼鏡かけてヤメテください。。
実は計算せずともこれもインヴァスト証券のログイン画面から、
追うことができます。
下記は毎週発行される金利表です。
(金利表は日々変更変更・更新されていきます。下記は21/7/23公表の金利表です。)


例えば赤で囲いのある、今話題のナスダック100 QQQを確認してみると、
『1日毎に1口あたり1.101円の金利調整額が発生する可能性があるよ!』ということです。


ふ~ん毎日発生するのはわかったけど、
買建玉1口あたり1.1円ぐらいならそんな大したことないんじゃないんですか~?


(なんかウザ!)
一見そう見えますよね。
他のブロガー様のHP等でも軽微な問題と記載がよくあります。
ただ、暴落または緩やかな下落相場の際にただホールドしていると、
じわじわボディブローの様に利いてくるのは間違いないです。
QQQの過去のチャート例に下落相場を確認していきます。
①ー1 QQQの過去相場を参考にした金利調整額負担
下図はQQQの2000年頃から2017年の月足チャートとなっています。
2000年にITバブル崩壊があった際に大きな暴落が発生しています。
2000年3月に120.5ドルだったのが一年半かけて19.8ドルまで下落しましたが、
120.5ドルまでに回復したのは2016年12月となります。
元の価格まで戻るのに16年と9か月の年月が掛かったことになります。
(グラフ赤ライン)


もし2000年3月に120.5ドル付近に建玉を購入し、
だらだら保有していただけの場合、同様の期間金利調整額が毎日発生していることになります。


うう・・塵もつもればなんとやら・・・
たしかに1口だけじゃなく複数口保有していると大きいかも。
でも、その高値は一瞬じゃん!
そのあと半年くらいレンジ相場が続いてるし、建玉はそんなにもってないのでは?


そうですね!
最高値付近での話なので、そこで建玉を多く保有することは少ないと思います。
ただレンジが少なく急激に下落したパターンもあります。
一方、上げ下げが少なく、一方的に30ドル~40ドルが下がった期間があります。
例として2000年9月~11月の期間は下表の様に一方的に下落傾向になっています。


この場合、価格は大きく動いているため建玉も多くなりますが、
売れるほど上昇しない為、ただただ保有し続けてしまう可能性があります。
※上記表の2000年11月安値は60ドルほど。下落後再度60ドルに戻したのは2011年となっています。
この場合でも10年ほどは保有してしまうことなります。
①ー2 長期保有時の機会損失について


ぼーっと自動売買をしていると、
長期で保有してしまうリスクがあることがわかりましたね!


まあ確かにそうだけど・・
っていってもいずれ上がって売れるタイミングは来るんでしょ?
しかもその時は買った時の価格より高いから、かならず利益はあるでしょ!


確かに利益は出ますね!
ただ実はそこまで得をしていないかもしれません。。
例えば100万円を資金として運用した場合の条件をいくつか想定してみます。
例① 100万円を税抜き年利5%で複利運用した場合。
10年後には163万円ほどとなります。下表推移です。徐々に資金は増加しますね。


例② 100万円を必要資金として自動売買で運用した場合。詳細条件下記。
・運用ETF QQQ (現時点の価格参考は360ドル)
・ドル円レート 110ドル
・購入レンジ 320ドル~360ドル
・利確幅 5ドル(購入額から5ドル上昇したら売る)
・本数 25本
例②-1 320ドル~360ドルのレンジの往復が月に1回は必ずあると想定した場合。
(買建玉が月に1回は必ず発生し、さらに売りも建つと想定。)
1本の利確幅は5ドル≒550円なので、これが25本≒13,750円の利益が毎月発生します。
この場合年利16.5%となります。複利運用考慮せずこれが10年続くと、
必要資金と合わせ265万円となります。
(大きな上げ下げが無く、レンジが10年も続く可能性は低いと考えられますが。)
例②-2 360ドルからひたすら下落が続き、ちょうど10年後に365ドルまで急上昇した場合。
(320ドルの下落まで5ドル上昇することもなく、25本分ずっと保有したままと想定。)
10年後に25本分利確されるので、13,750円の利益が確定します。
10年後には必要資金と合わせ101.3万となります。


順調にレンジ相場ならいいけど、
急な暴落から値が戻らなかった期間が長いと、売れたのに赤じゃん!


かなり極端な条件を設定していますしね。
ただQQQの過去のような極端な暴落から、
戻すまでの時間が非常に長かった経緯もあります。
他の投資で利回りを確保していた場合と相対比較をすると、
実は儲けていないよということもあり得ますね。
②カバー先の財務・信用状況が悪化した場合のリスク
カバー取引とは
自動売買に限らず証券会社は一つの注文が顧客から入った際に、
同じ取引を別の証券会社や銀行に入れます。下表のイメージがわかり易いです。
これによって証券会社はリスクヘッジをしています。
OANDA証券株式会社 https://www.oanda.jp/lab-education/blog_column/cover/
このため、カバー先の財務・信用状況が悪化した際に、証券会社はカバー取引が制限され、
結果として顧客から証券会社への取引が制限される可能性があります。
この下りは『トライオート ETF 取引説明書 5.本取引のリスクについて (7)』や、
『契約約款』にも記載があります。
『トライオート ETF 取引説明書 5.本取引のリスクについて (7)』
リスク実例 【TQQQ取引制限!】
先日インヴァスト証券よりTQQQ「プロシェアーズプロシェアーズ ウルトラプロQQQ」の、
取引制限を無期限に実施するとの案内がありました。
理由として、
「米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントをめぐる巨額の損失問題により、世界的な金融機関のリスク管理の引締めが行われており、弊社においても証拠金の積増しの影響が発生」
とあります。
TQQQで利用していたため自身にてインヴァスト証券に問い合わせをしてみました。
ここで注目するのは以下3点です。
①に該当するということは『契約書に書いてあるから事柄だから問題ないよね!』ということです。
(さらに問い合わせをすれば、カバー取引先とインヴァスト証券のやり取りも確認できる可能性有)
②の内容から今回取引制限などではなく、いきなり「繰上償還」等の対応があったとしても、
契約上発生おかしくなかったとも考えられます。
また、③からは今回のような取引制限がTQQQに関わらず他ETFでも発生する可能性があります。
③インヴァスト証券の倒産リスク


ちょっと!上で問い合わせしておいて失礼やないかーい!


うっ・・・すみません。。
ただ最近の経営状態から少し懸念しています。
インヴァスト証券の近況を確認しました。
インヴァスト証券の親会社であるインヴァスト株式会社の、
直近3期の営業利益などをグラフ化しました。(単位:百万)


合わせてROEとROAもグラフ化しました。


直近3期は利益が大きく右肩下がりとなっています。。
ROAやROEから収益性も悪化しているのがわかります。
※ただ今期上四半期は好調の様です。
証券会社が倒産したしても本来は顧客の資金などは守られます。
ここはインヴァスト証券のHPでも記載があります。
それでももし、証券会社より返金等できなかった場合は、
日本投資者保護基金から1顧客当たり1,000万円を限度として補償されます。
1,000万円以上の預け入れをされている方はお気をつけください!


20年にインヴァスト証券の分社化、21年6月には社長交代など、
社内でも変化があるようですが経営状態は注視すべきかと考えます。 。
まとめ(+対応策)


他にも自動売買先のETFの上場廃止リスクなども考えたのですが、
近々では大丈夫かなと思っています。


え~・・・・まだそういうのがあるのね。
今まで通りおとなしく積立や分散の投資のが方がいいのかな~。


でも現状はQQQのETFや米国株は上昇トレンドになっていると思いますので、
システム自体は手が掛からず利益が見込めるのは間違いないです!
問題は投資の際に事前にどれだけリスクを把握し管理ができるのかだと思います!
十分に確認し、自身で納得の上購入をすることをオススメいたします!
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